健康診断の必要性
●どんな動物でも、定期的な健康診断は必要です。
費用の問題もあるでしょうが、動物の心になってみてください。
大好きな飼い主が遊んでくれたら、ちょっとくらい具合が悪くても、我慢してしまいます。
人間のように、「そこが痛い!ここが痛い!」とは言いません。
全ての病気は早期発見が必要ですので、定期的に健康診断はしましょう。
ちなみに、保護された時点ですでに病気だったミーは、9ヶ月で35万以上の治療費がかかりました。
半年か、一年に一度の1万円くらいは、たいしたことじゃないと思います。
ハムスターの巻
●アミロイドーシス
ハムスターの老人病とも言える病気です。
アミロイドと呼ばれる蛋白質が、あらゆる臓器の細胞の中に溜まって、正常な機能を失ってしまいます。
浮腫・腹水・蛋白尿・多飲多尿などの症状があらわれます。
対処療法しか手立てがなく、予後不良になる可能性が高いです。
我が家は、初のゴールデンハムスター長毛種のチャーちゃんが、この病気になりました。
残念ながら症状が進まないだけで、腹水によりやがて歩くのも困難になり、お☆様になりました。
11匹のお母さんハムでした。
ゆきおちゃんの場合は、そこからさらに脱腸の症状があらわれました。
手術をしましたが、予後不良により、永眠しました。
●その他の注意
ハムスターは体調が悪くなると、毛並みがボサボサになります。
健康なときは、グルーミングをかかさない動物だからです。
毛艶がわるかったり、耳がくしゃくしゃになったりしている場合は、すぐ病院へ行ってください。
下痢の症状がある場合は、緊急を要します。
外傷もよくある動物です。足の骨折などがないか、よく注意してあげて下さい。
インコの巻
●毎日のチェック
糞の色・硬さ・尿の色・形など。
水を飲む量が極端に増えていないかどうか。
餌を食べる量。
吐いたりしたものが顔についていないかどうか。
足をびっこにしたり、かゆがったりしていないか。
●具合悪そうなとき、まずやること!
飼っているインコが具合悪そうに(ふくらんでうとうと・吐くなど)
しているときは、まず保温をしてください。
羽のふくらみが取れるくらいまで保温の必要があります。
だいたい30度以上必要かと思います。
その後獣医師に見てもらいますが、移動中も温度を保つように心がけてください。
●病院の選び方
初めて病院に連れて行くときに、電話で確認をすることをお勧めします。
注意すべき事は、「鳥も診れます。」という病院ではなく、
「鳥を診れます。」という病院へ行ってください。
2つの違いは、我が家のミーの例が物語っていると思います。
もちろん、地域的に鳥専門医のいないところもあるでしょうが、
そのう検査が出来ますか?メガバクテリアについて知っていますか?
血液検査はできますか?など、鳥独自の質問をしてみるといいと思います。
●羽の打撲
インコを放鳥する場合、ガラス窓などに、カーテンなどをするようにしましょう。
外が明るいと、激突する場合があります。
我が家はキーが激突しました。
幸い打撲ですみましたが、骨折する場合もあります。
●メガバクテリア(AGY症)
最近発症が多くなった病気です。
吐く、便の色や、硬さがおかしいと思ったら、まずは獣医さんで検査してもらってください。
症状は、そのう炎と一緒ですが、この菌は胃や腸の組織を破壊してしまいますので、
早期発見が非常に大事です。
手当てが遅れた場合は、後遺症と一生付き合うことになります。
健康診断などで発見の場合は1ヶ月〜2ヶ月の投薬で治ります。
AGYはある種の真菌剤を処方されます。
そのう炎と診断され、抗生剤などで症状が変わらない・むしろひどくなった場合は
飼い主自らこれを疑って、獣医師を代えるくらいの気持ちを持ってもらいたいです。
まだこの病気について知らない獣医師もたくさんおります。
●メガバクテリア(AGY)後遺症
上記の病気で、後遺症が残った場合は、一生投薬が必要になります。
胃や腸の組織が破壊されているため、吐く症状や、血便などの症状が、定期的に表れます。
血便が続くようなら、獣医さんで止血のための注射をしてもらう必要があります。
3日続くと、命に危険が及びますので、2日で通院します。
現在、ミーがこの段階で、強制給餌も指導していただき行っています。
ミーは残念なことに9ヶ月の闘病の末亡くなってしまいましたが、
未だに最初の獣医さんでの誤診(そのう炎:抗生剤投与)が残念でたまりません。
●ダイエット作戦
セキセイの体重は30g〜40gくらいがベスト!
個体差はありますが、40gを超えていても大丈夫な場合もあります。
しかし、50gを超えるとダイエットの必要はあります。
ちょこぼの体重は51g・・・ついに獣医さんよりお達しが出てしまいました。
・最初の5日間は1日に何グラム食べているかを計り5日間の平均を出します。
体重も朝餌を食べる前に計ります。
・平均値から3割減らした量の餌を、1日2〜3回に分けて与えます。
その間、毎日体重を計り、3日で1gを目安とします。
・3日経って1gの体重が減っていなければ、さらに餌を1g減らします。
3日間そのままで様子を見ます。
・3日毎に様子を見て、減らなければ1gずつ餌を減らしていきますが、
餌が3gを切ってはいけません。
3g以下には絶対しないでください。
●発情異常(メス)ちょこぼの場合
一生タマゴを産まないメスもいますが、普通年に2〜3回発情し、タマゴを産みます。
しかし、その回数が5回以上になると、体に負担が大きくなります。
タマゴの殻が作れなくなったり、タマゴづまり、卵管炎、卵管脱などの原因となります。
人間と暮らして温度・湿度・日照時間(蛍光灯による)が一定となり、
発情しやすくなってしまいます。
漢方薬や栄養剤などによる抑制もありますが、まずは環境を変えて様子を見ます。
お気に入りのおもちゃははずす、カゴの置き場所を変える、紙を齧らせない、
服やカーテンなどにもぐらせない、背中をさわらないなどです。
●発情異常(メス)アーの場合
アーの場合はタマゴを産んだことはありません。
開口呼吸が気になり、病院へ行くと発情異常だと言われました。
レントゲンで見てみると、通常骨の中心は空洞なのですが、びっしり詰まっている感じでした。
心臓も肥大気味で、呼吸器を圧迫し開口呼吸となっていました。
タマゴは産みませんが、弱い発情はあり、殻を作るべきカルシウムが血中に溜まり、
骨や心臓に付着していました。
これも、発情を抑制することで何とか抑えています。
応急処置として、スポーツ用の酸素を用意し、カゴごとビニールに入れて呼吸を補助する
方法を教えてもらいましたが、1度もせずに済みました。
●肝機能障害
現在キーが治療中です。
尿の色がクリーム色なのが気になり、受診したところ、肝臓が悪くなっていました。
原因として考えられることは、発情が強い時期(頻繁にスリスリを目撃)に換羽が重なってしまい
肝臓に強いストレスがあったと考えられます。
通院時に血液検査とビタミンKを点滴し、日常は肝機能を良くする薬を飲んでいます。
ビタミンKに関しては、ネクトンQを毎日飲水に入れています。
今のところ、現状維持といったところですが、くちばしや爪の出血斑は現れなくなりました。
肝臓が悪いと一口に言いますが、換羽や発情、肥満・ストレス・他の病気・遺伝など、
肝機能が低下する可能性はたくさんあります。
肝機能が低下すると、出血した際の凝固時間が長くなり、怪我や手術などのときに
非常に危険です。
日頃から尿の色などを観察し、早期に改善することが大切です。
遺伝については仕方ないとも言えますが、肥満やストレスなどは防ぐことができると思います。
キーは2年薬を飲んでいても改善しないため、もしかしたら遺伝的なものかもと言われてしまいました。
それでも、定期的な点滴と飲み薬で元気に毎日暮らしています。
体調が悪くなる前に発見できたおかげだと思っています。
●ヘルニア
アーが手術しました。
ヘルニアはメスに多く、発情に関与する場合が多いようです。
多発する部分は、人間のへそにあたる場所・脇・そして肛門と尾の間の順になります。
便秘気味になり、尾を激しく左右に振るしぐさをするようになり、突然ポコッと出てしまいます。
通常、発情しているメスは糞が大きくなり尾を振りながらするしぐさが見られますので、
その判断は難しいと思います。
ヘルニア中身は個々違ってきます。
腸のみの場合と、卵管のみの場合、その両方である場合と、総排泄腔の場合。
再発に関しては卵材が入っているときもあります。
アーのヘルニアは総排泄腔(cloaca)がひっくり返っているというものでした。
もちろんそこには、卵管も尿管も腸もつながっています。
手術のほかに現存する方法もありますが、インコがヘルニアを気にしていない。(噛まない)
ヘルニアの中身が捻転する危険がないなどの場合になります。
糞の匂いを毎日確認し、発酵していないことが条件ですが。
アーは捻転した時には突然死の可能性もあったため、手術してもらうことにしました。
手術前に検査をします。ヘルニアの中身をある程度特定するためです。
バリウムを飲んでのレントゲン・血液検査(麻酔に耐えられるか、出血はどんな具合か)
そして手術直前は絶食します。
麻酔にかかり始めたときに、少し吐き気があるので、誤飲による事故を防ぐため。
麻酔は人間と同じです。